北海道の北部に位置する旭川市。自然豊かなこの街ですが、最近では治安の悪化が取り沙汰されています。実際に最近でも凶悪な事件が起きたこともあり、旭川市の治安に対する関心が高まっています。
今回は、旭川市が治安が悪いと言われる背景やその理由について詳しく解説します。
旭川市は治安が悪いやばい街?
旭川市は元々どんな街?地形や平均所得から見る旭川市
旭川市は、北海道のほぼ中央に位置する人口約33万人の都市です。四方を山に囲まれ、冬には豪雪地帯となるため、自然の厳しさを感じる地域でもあります。1年のうち半分ほどの時期は雪が深く、雪で閉ざされてしまう地域性から、孤立しやすい街の1つとも言えるでしょう。
経済面では、農業や林業が盛んな第一次産業の街です。近年では観光業も発展していて、特に旭山動物園は全国的に有名で毎年多くの観光客が訪れます。
しかし、平均所得は全国平均を下回り、特に若年層の失業率が高いことが最近の課題となっています。それでか、若者が進学や就職のタイミングで他の都市へ流出してしまい、平均年齢の高齢化も問題になっているようです。
旭川市はなぜ治安が悪いと言われるようになったの?
旭川市が治安が悪いと言われるようになった背景には、いくつかの要因が考えられます。まず、ここ数年で凶悪な犯罪が立て続けに発生したことが挙げられます。
特に、未成年者による犯罪や暴力事件、性犯罪が目立ち、メディアでも大きく報道されました。1996年に起きた中学生の強姦事件、1998年に起きた青年会議所での女体盛り騒動、2021年には通称、旭川女子中学生いじめ凍死事件と呼ばれるいじめや集団性的暴行が原因で女子生徒が凍死するという信じられない事件が起きて話題になりました。
そして2024年6月、またもや4人の男女が女子高校生に性的暴行後、橋から川底に落とされて女子高生が亡くなるという言葉を失うような凶悪犯罪が起きたのです。
このようにこれまで旭川で起きた事件で大きく報道されたものといえば、若年層の人間が絡む暴力、性暴力、女性軽視などがキーワードに上がるようなものが多く、これが旭川市は治安悪くてやばいところだと言われる理由だと考えられるでしょう。
また、SNSやインターネットの普及により、事件の詳細が瞬時に全国に広まりやすくなったことも影響しています。
XなどのSNSでは容疑者のこれまでの素行やSNSでのやり取りなどが次々と上げられており、多くの人がその常軌を逸す行動や言動に驚きを隠せなかったことでしょう。
このような情報から旭川市の一部の問題がクローズアップされ、治安が悪いという印象が強まってしまったのです。
旭川市が持つ問題点・治安が悪くなった理由は?
①娯楽が少なく雪が多いこともあり閉鎖的な街である
旭川市は、冬になると長期間にわたって積雪に覆われるため、住民の活動範囲が自然と限られてしまいます。特に若年層にとっては娯楽施設やイベントが少ないことから、ストレスを感じることが多いと言われています。
また孤立しやすい環境から、群れを作りやすく仲間意識が強いことも考えられます。旭川市のような程々の大きさの地方都市では、進学や就職で他の都市へ出る人間も多いですが、街に残る人たちの仲間意識は強く、半グレのようなグループに所属してしまったとしても抜けたくても抜け出せなかったり、絶対に逆らえない上下関係ができてしまうなど、悪の道にどんどん外れていってしまう人も一定数いるでしょう。
②通称さんろくと呼ばれる繁華街が半グレや非行少年の溜まり場になっている
旭川市には「さんろく」と呼ばれる繁華街があり、ここは飲食店やバー、クラブが立ち並ぶエリアです。
しかし、この繁華街の一部は半グレや暴力団など犯罪行為に手を染める集団や非行少年の溜まり場となっていることが問題視されています。
夜間のトラブルや暴力事件が頻発しており、治安の悪化を招いている一因となっています。実際に今回の事件の容疑者たちもこの街に頻繁に出入りしていたことで知られています。また、半グレと一般の人たちの距離が近いことも問題視されており、いまだに「ワルなのが格好いい」というような風潮が残っているところもあるようです。
③車社会であること
旭川市は広大な土地を有しているため、車が主な移動手段となっています。公共交通機関が充実していないため、若者たちは運転免許を取得し、自由に移動できる環境にあります。
車社会で便利な一方、若者たちが夜爆音で音楽を流しながらドライブをしたり、危険な運転をしているところも散見されるようです。
また、街から少し離れるとすぐに人気の少ない場所に行くことができるので、連れ去りなどがしやすい環境だといえるでしょう。また、車所持率が高いことから、周りの目を気にせず簡単に2人きりや仲間だけの空間が作れることも事件の多さにつながっていると考えられます。
実際の数字から見る旭川市の治安
では、実際の犯罪統計から旭川市の治安を見てみましょう。
警察庁の統計データによると、旭川市の犯罪発生率は全国平均を大きく上回ることはありません。例えば、2023年のデータでは、旭川市の犯罪件数は前年比で減少しており、特に暴力事件や窃盗事件の発生件数は全国平均以下です。
この統計だけを見ると、旭川市が特別に治安が悪い地域とは言えないことがわかります。しかし、メディア報道やSNSでの拡散により、部分的な事件が強調されていることが、治安悪化のイメージを作り上げていると言えます。
しかし実際に起きている事件は、他の地方で起きるものと比べると暴力性が高いものや残忍なものが多く、犯罪件数では計れない闇があるように感じます。
まとめ
旭川市が治安が悪いと言われる背景には、いくつかの要因が絡み合っています。
凶悪な犯罪の発生、メディアやSNSによる情報拡散、若年層の非行問題などが重なり、治安が悪いという印象を強めているのです。しかし実際の統計データだけを見ると、旭川市は特別治安が悪い地域とは言えないでしょう。
旭川市をより安全で良い街にするには、若者の健全な育成環境を整え、娯楽や教育の充実を図ることが重要です。地域の魅力を再発見し、多くの人々が訪れたくなるような旭川市の未来を期待しています。